雅懐
がかい
名詞
標準
aesthetic sentiment
文例 · 用例
然れば夕べに七つ屋の格子を潜って、都々逸よりも巧みな才覚しすまして旦は町内のつきあいに我も漏れず、一日を他愛もなく興じ暮らして嚢中の空しきを悔いざる雅懐は、蓋し江戸ッ児の独占するところか。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
七重八重花羞かしき乙女の風流をも解し得ざった昔の御大将はともあれ、今の都人士にその雅懐を同じゅうしてこの花をここに訪ぬるは知らず幾人であろう。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
蘇子、白居易が雅懐も、倶利迦羅紋紋の兄哥が風流も詮ずるところは同じ境地、忘我の途に踏み入って煩襟を滌うを得ば庶幾は已に何も叶うたのである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
風鈴と釣忍 夏の景趣を恣にして江戸ッ児の雅懐をやるもの風鈴と釣忍またその一つか。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
彼らはその家屋と庭園とを公開して民衆と共に楽もうとするような新理想主義的な雅懐を持っていないのです。
— 与謝野晶子 『激動の中を行く』 青空文庫
予等は君の歌に現れた誠実と雅懐とを尊敬し、併せて其の専門歌人臭の無いのを喜んだ。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
しかも少しもあせらず、押売りせず、悠々として人智の発達を待とうとする高風雅懐は、まことに見上げたものである。
— SPIRIT TEACHINGS 『霊訓』 青空文庫
どこも六畳三畳二畳台所だけの棟割りだが、それでいて二坪三坪の小庭がみな付いており、目隠し板に八ツ手や楓を覗かせ、夏ならば朝顔や胡瓜を絡ませたりして、けっこう庶民の雅懐を愉しむには事足りていた。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
作例 · 標準
その俳句には、作者の深い雅懐が込められているのが感じられた。
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古都の静寂の中で、彼は悠久の時の流れに雅懐を抱いた。
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茶道は、単なる作法だけでなく、豊かな雅懐を育む精神修養でもある。
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彼女の選ぶ音楽はいつも洗練されていて、聴く者に穏やかな雅懐をもたらす。
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