幻辞.com

思い込み

おもいこみ
名詞頻度ランク #9296 · 青空 16
1
標準
wrong impression
文例 · 用例
また一つには東京市民が明治以来のいわゆる文明開化中毒のために徳川時代に多大の犠牲を払って修得した火事教育をきれいに忘れてしまって、消防の事は警察の手にさえ任せておけばそれで永久に安心であると思い込み、警察のほうでもまたそうとばかり信じ切っていたために市民の手からその防火の能力を没収してしまった。
寺田寅彦 函館の大火について 青空文庫
しかし、娘は、これを世間にあるならわしの恋と思い込み、心に恥じもし、思い返しもしようとした。
岡本かの子 宝永噴火 青空文庫
一旦助けんと思い込みたる婦人なれば、このままにて寐入らんは口惜し。
泉鏡花 活人形 青空文庫
しかし、はじめは、この男を好人物、まれに見る好人物とばかり思い込み、さすが人間恐怖の自分も全く油断をして、東京のよい案内者が出来た、くらいに思っていました。
太宰治 人間失格 青空文庫
自分のものでも無い或る卑しい想念を、自分の生れつきの本性の如く誤って思い込み、悶々している気弱い人が、ずいぶん多い様子であります。
太宰治 女の決闘 青空文庫
鰐口は晩酌の最中で、うるさいと思ったが、いやにしつこく挑んで来るので着物を脱いで庭先に飛び降り、突きかかって来る才兵衛の巨躯を右に泳がせ左に泳がせ、自由自在にあやつれば、才兵衛次第に目まいがして来て庭の松の木を鰐口と思い込み、よいしょと抱きつき、いきせき切って、この野郎と叫んで、苦も無く引き抜いた。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
才兵衛は松の木を引き抜いて目よりも高く差し上げ、ふと座敷の方を見ると、鰐口が座敷で笑いながらお酒を飲んでいるので、ぎょっとして、これは鬼神に違いないと幼く思い込み、松の木も何も投げ捨て庭先に平伏し、わあと大声を挙げて泣いて弟子にしてくれよと懇願した。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
多人数の大家族の間に育った子供にありがちな、自分ひとりを余計者と思い込み、もっぱら自分を軽んじて、甲斐ない命の捨てどころを大あわてにあわてて捜しまわっているというような傾向が、この男爵と呼ばれている男の身の上にも、見受けられるのである。
燭をともして昼を継がむ。 花燭 青空文庫
ウィキペディア

思い込み(おもいこみ)とは、深く信じこむこと。また、固く心に決めること。

出典: 思い込み — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0