散文的
さんぶんてき
形容動詞
標準
prosaic
文例 · 用例
言換れば、彼の詩には猶事象そのことに対個人的な興味――結局これは詩に於ては散文に於けるよりも一層散文的なものとして留るもの――があつて、それが詩性を少しく散漫にしてゐると思ふのである。
— 中原中也 『菊岡久利著「貧時交」』 青空文庫
現に「あなたと呼べば」の如き唄が流行するのは、大衆が既にその心のリリシズムを喪失して、音楽でさへも、散文的な興味で聴かうとするところの、現代社会の時代的傾向を実証してゐる。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
(子規の作った万葉ばりの歌というのが、全然音楽美のないゴチゴチした散文的のものであった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
そのかわりに台所へのそのそ黙ってはいって来て全く散文的に売りつけることになったようである。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
この事務的散文的記事の紙背には涙がある。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
さび、しおり、おもかげ、余情等種々な符号で現わされたものはすべて対象の表層における識閾よりも以下に潜在する真実の相貌であって、しかも、それは散文的な言葉では言い現わすことができなくてほんとうの純粋の意味での詩によってのみ現わされうるものである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
かかる種類の情操は、決して普通の散文的情操と同じでない。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
したがつてその散文的な内容すらが、實體鏡で見る寫眞の如く空中に浮びあがり、一つの立體的な情調――即ち「詩」――として印象されるのである。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
作例 · 標準
夢のような理想ばかり語る彼も、結婚してからは驚くほど散文的な現実主義者になった。
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旅行の感想を聞いたのに、移動時間や費用といった散文的な報告ばかりで少し興ざめした。
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日常生活の中にある散文的な光景の中にこそ、真の幸福が隠れているのかもしれない。
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