好事家
こうずか
名詞
標準
dilettante
文例 · 用例
それはいずれにしても、今のうちにこれらの滅び行く物売りの声を音譜にとるなり蓄音機のレコードにとるなりなんらかの方法で記録し保存しておいて百年後の民俗学者や好事家に聞かせてやるのは、天然物や史跡などの保存と同様にかなり有意義な仕事ではないかという気がする。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
敵情を探るのは探偵の係で、戦にあたるものは戦闘員に限る、いうてみれば、敵愾心を起すのは常業のない閑人で、進で国家に尽すのは好事家がすることだ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
一ツは好事家の随筆に、物凄くも又恐ろしく記される。
— 泉鏡太郎 『怪力』 青空文庫
残念ながらわが国の書店やデパート書籍部に並んでいるあの職人仕立ての児童用絵本などとは到底比較にも何もならないほど芸術味の豊富なデザインを示したものがいろいろあって、子供ばかりかむしろおとなの好事家を喜ばすに充分なものが多数にあった。
— 寺田寅彦 『火事教育』 青空文庫
そういうわけであるから現代の読者にはあまりに平凡な尋常茶飯事でも、半世紀後の好事家には意外な掘り出し物の種を蔵しているかもしれない。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
たまに、万に一の地図の誤りを指摘して小言をいう好事家があるにしても陸地測量部地形図の信用は小ゆるぎもしないであろう。
— 寺田寅彦 『地図をながめて』 青空文庫
これも従来はほとんど骨董的題目として閑却され、たまたまこれを研究する好事家は多くの学者の嘲笑を買ったくらいである。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
即ち、まず民間の好事家の手元に残っている人形を狩り集め、足らぬ分は阿波の人形師が腕によりを掛けて作ろうと申し出たということであり、準備が出来次第新しい旗上げ興行を行うというこの記事ほど、時宜に適った新聞記事を最近私は読んだことがない。
— ――戦災余話 『起ち上る大阪』 青空文庫
作例 · 標準
彼は有名な好事家で、誰も見向きもしないような古い切手を熱心に収集している。
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好事家の間では、この作家の初期作品は非常に高い価値があると言われている。
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珍しい鉱石が手に入ったという噂を聞きつけ、全国から好事家が集まってきた。
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標準
person of refined taste
作例 · 標準
好事家たちの目に適うような、洗練された意匠の茶器を工房で制作する。
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この隠れ家的なバーは、酒の味にうるさい好事家たちが夜な夜な集う場所だ。
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趣味の域を超えた知識を持つ好事家によって、絶滅寸前の伝統技法が守られた。
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