節回し
ふしまわし
名詞
標準
melody
文例 · 用例
いろいろな音程が相次いで「進行」して始めて一つの旋律一つの節回しができ、そうすることによってそこにほとんど無際限な変化の自由が生ずるのである。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
あらかじめ打ち込んでおいたメロディーをマックがやたらテンポを上げたり下げたりと、ちょっと聞いただけではさっぱり節回しのわからない形で再生し、解答者が曲名をあてにかかる。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
それに節回しがあれでなかなか込み入っているんで、どうしてもうまくいかん。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
青年はその不思議な節回しに耳を傾けつゝ、何かしら自失したように、呆然と立っていた。
— 松永延造 『ラ氏の笛』 青空文庫
私の謡い方が、まるで無我夢中で、少々節回しなどはどうあろうと、一向構わず、堂々とやっているには呆れる、と松篁なども言っているそうです。
— ある人の問いに答えて――絵を作る時の作家の心境について私はこう考えています。 『苦楽』 青空文庫
沙金はよく、その節回しがおかしいと言って、手を打って笑った。
— 芥川龍之介 『偸盗』 青空文庫
土志と変わって非常に大きな声で物にもよるだろうが唄い振り、節回しが頗る粋だ。
— 佐藤垢石 『美音会』 青空文庫
八五郎もそんな時は心得たもので、鼻唄の節回しを研究したり、あの娘のことを考えたり、平次の邪魔にならぬ程度に良い道連れになってヒョコヒョコと縋いて来るのでした。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫