悪貨
あっか異読 あくか
名詞
標準
bad money
文例 · 用例
江戸幕府の衰亡 江戸幕府は、三代将軍家光に至つて、あらゆる機構が整ひ、武家政治は完成された形を示したが、五代将軍綱吉に至つて、幕府の太平が謳歌される傍ら、綱吉の偏執的な性格や、生類|憐愍令や、悪貨鋳造などからの影響もあつて、太平の余弊たる享楽主義が天下を風靡した。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
たとへば悪貨の多き国に入れば大英国の金貨も七日にて鑢に削り取られ其正しき目方を減ずる如く、一たび此門を跨げば良心と、徳と、理性との平衝を失はずして人は此処に在り難し。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
幕府の倉を開いて、窮民を賑わすとか、悪貨を鋳て逼迫した金融を緩和しようと言う議はありましたが、もう少し根本的に考えて、米価を引下ようとか、差し当り何十万の窮民を救おうとか言う議は無かったのです。
— 野村胡堂 『黄金を浴びる女』 青空文庫
遥か後年弘化二年に金座の後藤が死罪になったのは、上を誹謗したと言う罪名になって居りますが、実際は鳥居甲斐守等と結んで悪貨を鋳造し、不義の私財を集め過ぎた為です。
— 野村胡堂 『黄金を浴びる女』 青空文庫
悪貨の増発は、物価をハネあげる。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
のちに思いあわせると、それから二年と経たないうちに、悪貨|濫造という思いきった政策が、将軍家のゆるすところになって実現し、騒然と、世の物議をかもした。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
古金銀を民間から引あげ、質の落ちた悪貨を通用させる。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
悪貨の濫発や、官閥の腐敗や、物価高の生活苦や、宗教への幻滅や、男女間の無軌道や、芸術文化などの自殺的服毒や、等々々の、あらゆる構成悪を、選りわけてみても、その原因は、それのどれ一つと云えるほど、簡単ではない。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
作例 · 標準
毎日、悪貨について考えています。
我が社の悪貨戦略は重要です。
悪貨の原理は複雑である。
悪貨という言葉が頭から離れない。