歯形
はがた
名詞
標準
impression of the teeth
文例 · 用例
鑿の歯形を印したる、鋸の屑かと欠々したる、その一つ一つに、白浪の打たで飜るとばかり見えて音のないのは、岩を飾った海松、ところ、あわび、蠣などいうものの、夜半に吐いた気を収めず、まだほのぼのと揺ぐのが、渚を籠めて蒸すのである。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
肩や胸の歯形を愉しむようなマゾヒズムの傾向もあった。
— 織田作之助 『競馬』 青空文庫
何もせぬのに夜通し痛がっていたので、乳腺炎になったのかと大学病院へ行き、歯形が紫色ににじんでいる胸をさすがに恥しそうにひろげて診てもらうと、乳癌だった。
— 織田作之助 『競馬』 青空文庫
獺が銜えたか、鼬が噛ったか知らねえが、わんぐりと歯形が残って、蛆がついては堪らねえ。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
途方もない、乱暴な小僧ッ児の癖に、失礼な、末恐しい、見下げ果てた、何の生意気なことをいったって私が家に今でもある、アノ籐で編んだ茶台はどうだい、嬰児が這ってあるいて玩弄にして、チュッチュッ噛んで吸った歯形がついて残ッてら。
— 泉鏡花 『清心庵』 青空文庫
そして迷ひ込んだが最後逃れやうたつて離れられるもんぢやない、次第に悪因縁は青い蛇のやうに柔らかに絡みつく、どうせ死ぬまでは白い歯形が霊の底までも喰ひ入らねば放すもんぢやない。
— 北原白秋 『新橋』 青空文庫
それは指先で皮を剥かないで、蜜柑を掌面に載せておいて、前歯でそれに噛りつく、そして出来た歯形に指を突込むでそれから徐々剥いて行くといふ遣り方である。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
氷の傍まで降りて行って見ると、氷河は高さ五米ほどの鋭い歯形の起伏を、二町の幅の中にぎっしりと無数に詰め谷間を下へ流れていた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
作例 · 標準
歯科医院で矯正治療を始める前に、ピンク色のシリコンで正確な歯形を取った。
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古代の遺跡から見つかった食べ物の化石には、当時の人々の歯形が鮮明に残っていた。
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警察は、現場に残されたリンゴの歯形から犯人の特定を試みている。
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標準
tooth mark
作例 · 標準
飼い犬と遊んでいたら、腕にうっすらと甘噛みの歯形がついてしまった。
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兄弟喧嘩の末に噛みつかれ、シャツの上からでも分かるほどの歯形が残った。
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鉛筆の尻を噛む癖のせいで、彼の筆箱の中は歯形だらけの鉛筆ばかりだ。
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