黒衣
こくい異読 こくえ・くろぎぬ
名詞
標準
black clothes
文例 · 用例
毎朝いただいて居る東奧日報に據れば、私の兄は、いま、縣會に於いてたいへん割のわるい役をして居るやうである、私、いま、兄上に叱咤されるのを覺悟のうへで申してゐるのであるが、勘平役者が黒衣にまはつたやうで氣持がよくない。
— 太宰治 『人物に就いて』 青空文庫
その時妾はふと、夜陰の無花果の木の下に潜む、黒衣の人間の険悪な顔を姿見に認めて、恐ろしい悲鳴をあげました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
妾は黒衣の人間がジョージ・佐野であることが解りました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
燭台の青い灯に浮いた鏡の中の黒衣の人間の顔が瞬間消えて見えなくなりました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
それは黒衣のロオズ夫人でした。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
八 時にかの黒衣長身の人物は、ハタと煙管を取落しつ、其方を見向ける頭巾の裡に一双の眼爛々たりき。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
この時までも目を放たで直立したりし黒衣の人は、濶歩坐中に動ぎ出て、燈火を仰ぎ李花に俯して、厳然として椅子に凭り、卓子に片肱附きて、眼光一|閃鉛筆の尖を透し見つ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
明るくなって見ると、二列の僧座の一方は黒衣の男僧であって、一方は白衣の尼僧であるのが分る。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
作例 · 標準
彼の黒衣の姿は、周囲に厳粛な印象を与えた。
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葬儀に参列する人々は皆、黒衣をまとっていた。
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舞台役者が黒衣を翻し、暗闇の中に消えていった。
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ウィキペディア
黒衣(くろご)は、歌舞伎や人形浄瑠璃で、観客からは見えないという約束事のもとに舞台上に現われ、後見として役者や人形遣いを助けたり、小道具を役者に渡したり舞台から下げたりする係。また彼らが着用する黒づくめの特殊な衣装のこと。黒具(くろぐ)ともいう。
出典: 黒衣 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0