真南
まみなみ
名詞
標準
due south
文例 · 用例
大潮を真南に上げ颯と吹く風とともに、その団扇がハッと落ちて、宙に涼しい昼の月影のようにひらひらと飜ると見るうちに、水面へスッと流れて、水よりも青くすらすらと橋へ寄った。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
十四号トンネルの真南になつてゐます。
— 田山録弥 『玉野川の渓谷』 青空文庫
方角はちやうど真南に当る。
— 若山牧水 『岬の端』 青空文庫
それは飛行島を放れて香港へ行くはずの汽船ブルー・チャイナ号が、奇怪にも今それと反対に、真南に航行していることである。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫
二三日雪空が続き、真南をねじれて建った家には、余り充分日光が射さなかった。
— 宮本百合子 『小鳥』 青空文庫
それに、僕等の監房はちょうど真南向きに窓がついているので、日さえ照れば正午前二、三時間余りの間は、背を円くして日向ぼっこの快をとることができる。
— 大杉栄 『獄中消息』 青空文庫
丁度真南に当つた所の松林の中には立派な旅館が見えて居たが、律義な校長さんは、長く滞留する筈になつてゐる私のために、費用の点を顧慮されたのであらう、その立派な方の旅館は避けて、貧弱な安宿の方に私の部屋を取つて置いてくれられた。
— 河上肇 『随筆「断片」』 青空文庫
坐摩の前を走り、順慶町へ折れて、新町橋の詰を真南へ西横堀の続くだけ馳けた。
— 折口信夫 『鶴屋団十郎』 青空文庫