朧月
おぼろづき
名詞
標準
hazy moon (esp. on a spring night)
文例 · 用例
女|倶して内裏拝まん朧月 春宵の悩ましく、艶かしい朧月夜の情感が、主観の心象においてよく表現されてる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
折釘に烏帽子かけたり宵の春春の夜に尊き御所を守る身かな春雨や同車の君がさざめ言ほととぎす平安朝を筋かひにさしぬきを足で脱ぐ夜や朧月 引例を見ても解るように、特に春の句においてそれが多いのは、平安朝の優美でエロチックな文化や風俗やが、春宵の悩ましい主観において、特にイメージを強く与えるためなのだろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
始めての他郷の空で、某病院の二階のゴワゴワする寝台に寝ながら窓の桜の朧月を見た時はさすがに心細いと思った。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
私は没分暁漢の一巡査であるが、生理学教室に雛を祭ることにおいて、一石橋の朧月一片の情趣を会得した甲斐に、緋緘の鎧の袖に山桜の意気の羨しさに堪えんで。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
唯今は凄いほど、星がきらついて参りましたが、先刻、その時分は、どんよりして、まるで四月なかばの朧月夜見たような空合、各自に血が上っておりましたせいか、今日の寒さに、皆汗を掻いたでござります。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
――以前、牛込の矢來の奧に居た頃は、彼處等も高臺で、蛙が鳴いても、たまに一つ二つに過ぎないのが、もの足りなくつて、御苦勞千萬、向島の三めぐりあたり、小梅の朧月と言ふのを、懷中ばかり春寒く痩腕を組みながら、それでものんきに歩いた事もあつたつけ。
— 泉鏡太郎 『番茶話』 青空文庫
あはれも、そゞろ身にしみて、春の夕の言の契は、朧月夜の色と成つて、然も桃色の流に銀の棹さして、お好ちやんが、自分で小船を操つて、月のみどりの葉がくれに、若旦那の別業へ通つて來る、蓋しハイカラなものである。
— 泉鏡太郎 『みつ柏』 青空文庫
湯氣が霞の凝つたやうにたなびいて、人々の裸像は時ならぬ朧月夜の影を描いた。
— 泉鏡太郎 『雨ふり』 青空文庫
作例 · 標準
例句
ウィキペディア曖昧さ回避
朧月(おぼろづき)は、春の夜の霞んで見える月のこと。 朧月 コトノハ:Chronicleのシングル おぼろづき おぼろづき - イネの品種。 おぼろづき (曲) - スターダストレビューのシングル おぼろ月 谷村志穂の短編小説。 オボロヅキ オボロヅキ - ベンケイソウ科グラプトペタルム属の多肉植物。
関連項目
出典: 朧月 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0