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遠火

とおび
名詞
1
標準
distant fire
文例 · 用例
が、引続いた火沙汰のために、何となく、心々のあわただしさ、見附の火の見|櫓が遠霞で露店の灯の映るのも、花の使と視めあえず、遠火で焙らるる思いがしよう、九時というのに屋敷町の塀に人が消えて、御堂の前も寂寞としたのである。
泉鏡花 菎蒻本 青空文庫
古い土佐の諺に、遠火に物を焙って火のとどかないことを、手結山の火と云ったものだ。
田中貢太郎 宇賀長者物語 青空文庫
はじめ、正確に放たれていた十五秒ごとの閃光が、不意に不気味な不動光に変ったかと思うと、灰色のガスの中へなにか神秘的な光の尾を、そのままわずかに二秒ほども遠火のように漂わせて、それから急に、しかもハッキリと不吉な暗に溶けこんでしまった。
大阪圭吉 灯台鬼 青空文庫
……もうあのクーペ、いま頃は関所止めになって、箱根口でうろうろしているだろう」 遙かに左手の下方にあたって、闇の中に火の粉のような一群の遠火が見える。
大阪圭吉 白妖 青空文庫
それを二三枚|宛、耽念に塩煎餠をあぶるやうに遠火で乾した。
牧野信一 昔の歌留多 青空文庫
冬などは、藁の上にすわって、遠火に暖められていると非常に御機嫌になって、芋屋の子になってしまいたかった。
町の構成 旧聞日本橋 青空文庫
身支度をすませて、細道に出ると、向うに、遠火事の炎が映っているように見えるのは、まぎれもなく、たった一度客すじから招かれて行った、新吉原の灯のいろに相違ない。
三上於菟吉 雪之丞変化 青空文庫
家内が玉子を泡立てるとき腕の痛くなるのに閉口して何とか工風はないかと色々|外の人に尋ねましたところ、遠火の上で泡立てると速く出来るという人がありましたからそう致したのです。
秋の巻 食道楽 青空文庫
作例 · 標準
キャンプファイヤーの遠火が、夜の闇にゆらゆらと揺れていた。
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魚を焼くときは、焦げ付かないように遠火でじっくりと焼くのがコツだ。
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暖炉の遠火を見ながら、静かに本を読んだ。
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