五臓
ごぞう
名詞
標準
the five viscera (liver, lungs, heart, kidney and spleen)
文例 · 用例
鴨長明の方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁でしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑にしみ渡っているからである。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
夢は東洋では五臓の疲れなどと言われ、また取り止めもないものの代表者としてあげられ、また一方では未来の予言者としてだいじに取り扱われもした。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
つい眼の前には板戸のごとき大肉俎の据られしに、犢大の犬の死体|四足を縮めて横われるを、いまだ全く裂尽さで、切開きたる脇腹より五臓六腑|溢出で、血は一面に四辺を染めたり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
晩の御馳走は、蛙の焼串、小さい子供の指を詰めた蝮の皮、天狗茸と二十日鼠のしめった鼻と青虫の五臓とで作ったサラダ、飲み物は、沼の女の作った青みどろのお酒と、墓穴から出来る硝酸酒とでした。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
いちいち隣りの王子のほうを盗み見て、こっそりその手つきを真似て、どうやら口に入れる事が出来ても、青虫の五臓のサラダや蛆のつくだ煮などの婆さんのお料理ばかり食べつけているラプンツェルには、その王さまの最上級の御馳走も、何だか変な味で胸が悪くなるばかりでありました。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
人間だって、皮、血、肉、五臓、六腑、そんなもので束ねあげて、これに衣ものを着せるんです。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
五臓に、しみたのである。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
あの人からそう言われてみれば、私はやはり潔くなっていないのかも知れないと気弱く肯定する僻んだ気持が頭をもたげ、とみるみるその卑屈の反省が、醜く、黒くふくれあがり、私の五臓|六腑を駈けめぐって、逆にむらむら憤怒の念が炎を挙げて噴出したのだ。
— 太宰治 『駈込み訴え』 青空文庫
作例 · 標準
医者は彼の五臓に異常がないか、詳しく検査した。
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激しい運動の後、五臓六腑に染み渡るような冷たい水が欲しくなる。
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この薬は五臓の働きを助けると言われている。
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