燐火
りんか
名詞
標準
phosphorous light
文例 · 用例
勿論、燐火の注文を取って来た、ためしもなく、用材の買い出しに行ったこともなかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
面でない燐火である。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
その時沖を見ていた人の話に、霧のごとく煙のような燐火の群が波に乗って揺らいでいたそうな。
— 寺田寅彦 『嵐』 青空文庫
このような夜に沖で死んだ人々の魂が風に乗り波に漂うて来て悲鳴を上げるかと、さきの燐火の話を思い出し、しっかりと夜衣の袖の中に潜む。
— 寺田寅彦 『嵐』 青空文庫
墓原の草の葉末を照らす燐火のように、深い噴火口の底にひらめく硫火の舌のように、ゆらゆらと燃え上がる。
— 寺田寅彦 『ある幻想曲の序』 青空文庫
その大な腹ずらえ、――夜がえりのものが見た目では、大い鮟鱇ほどな燐火が、ふわりふわりと鉄橋の上を渡ったいうだね、胸の火が、はい、腹へ入って燃えたんべいな。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
「鮹の燐火、退散だ」 それみろ、と何か早や、勝ち誇った気構えして、蘆の穂を頬摺りに、と弓杖をついた処は可かったが、同時に目の着く潮のさし口。
— 泉鏡花 『海の使者』 青空文庫
燐火のような青白さがその顔に颯と閃めくと、しなやかな手に持たれたしなやかな黒い鞭がわなわなと波打った。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
作例 · 標準
夏の夜、古い墓地のあたりに青白い燐火がふらふらと漂っているのを見てしまい、悲鳴を上げて逃げ帰った。
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科学の知識が乏しかった時代、湿地帯で発生する燐火は死者の魂や妖怪の仕業として恐れられていた。
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小説の中で、暗闇に浮かび上がる燐火が不気味な雰囲気を演出する小道具として効果的に使われている。
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