近代劇
きんだいげき
名詞
標準
modern drama
文例 · 用例
岸田国士「近代劇論」。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
殊にもこの真向うの姿見、硝子棚、バリカン、廻転椅子、カバーの白白白、立ち廻る理髪師の背広の、ズボンの白、掻き立てなすりつけた客の頬や頤の石鹸の白、琥珀の香水、剃刀の光、鋏のチャキチャキ、そうした銀と緑との小夜景がまるで近代劇の或る場面かのように私の前に展開された。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
而して前には城ヶ島の緑が横たはり、通り矢とその間の五丁にも足らぬ海峡を小蒸汽が来、渡海船が通り、余多の漁舟が漕ぎつれて行く、而して遠くは煙霞の間に房州の山をのぞみ、欧洲航路の汽船軍艦はいつも煙を曳いてこの眺望の中を消えて行つたなど、全く明快な近代劇の舞台面であつた。
— 北原白秋 『雲母集』 青空文庫
訳本ファウストが出ると同時に、近代劇協会は第一部を帝国劇場で興行した。
— 森鴎外 『訳本ファウストについて』 青空文庫
それは私の訳が卑俚なのとある近代劇協会々員の演出が膚浅なのとで、ファウストが荘重でなくなったと云うのである。
— 森鴎外 『訳本ファウストについて』 青空文庫
その頃、近代劇を専攻して居た自分は、今よりも、芝居に対して熱心だった。
— 菊池寛 『天の配剤』 青空文庫
英国のある近代劇の女主人公が、男が雲雀のように、多くの女と戯れることが出来るのなら、女だって雲雀のように、多くの男と戯れる権利があると申しておりますが、そうじゃございませんでしょうか。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
近代劇協会にいたことのある方ですわ。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫