折に触れて
おりにふれて
表現
標準
at every opportunity
文例 · 用例
車夫はその不景気を馬車会社に怨みて、人と馬との軋轢ようやくはなはだしきも、わずかに顔役の調和によりて、営業上|相干さざるを装えども、折に触れては紛乱を生ずることしばしばなりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
「カイゼルホオフ」へ通うことはこれよりようやく繁くなりもて行くほどに、初めは伯の言葉も用事のみなりしが、後には近ごろ故郷にてありしことなどを挙げて余が意見を問い、折に触れては道中にて人々の失錯ありしことどもを告げて打ち笑いたまいき。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
自分の考えでは、――その作者の人生観が、世の中の事に触れ、折に触れて、表われ出たものが小説なのである。
— 菊池寛 『小説家たらんとする青年に与う』 青空文庫
私の折に触れて提供する、特異な人物の思想や行動に対して、多少の興味を持ってくれる読者諸君におことわりしなければならないが、私がこれほどの大事件に対して持っていた知識を、早速読者諸君に披瀝しなかったことを、非難しないようにお願いする。
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫
」 かねてから私は、折に触れては、この友人が犯罪捜査に心を向けたきっかけを探ろうとしてきた。
— THE "GLORIA SCOTT" 『グローリア・スコット号』 青空文庫
折に触れてそれが役に立つ。
— THE ADVENTURE OF THE SOLITARY CYCLIST 『自転車乗りの影』 青空文庫
捜査に相棒が入り用のときには相変わらず折に触れて私のもとへ来ていたが、この機会も次第に減じてゆき、とうとう一八九〇年には、気づけば何かしら自身で書き控えた事件もほんの三つとなっていた。
— THE FINAL PROBLEM 『最後の事件』 青空文庫
だが雑誌は月おくれになつたつて、小説にはカビが生へるわけではないのだから、ちやんとこれらの雑誌はひとまとめにしておいて、折に触れてとりあげ、知友へは手紙でも書き度い、おゝ、屹度、この失態なりし浪曼的月評の記念を肝に命じて「わたしは約束を破つたことはない。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫