躍動
やくどう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞頻度ランク #19346 · 青空 211 例
標準
lively motion
文例 · 用例
暁天の白露を帯びたこの花の本当の生きた姿が実に言葉通り紙面に躍動していたのである。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
二人の文章の一端を捉へ來つて對象してみれば、前者のそれには如何に神經が鋭く行きわたり、また一字一字が如何に骨を折つて書かれてゐるかが忽ち感じられるし、後者のそれには如何に筆勢が躍動して、時にはやや粗雜に書きなぐるといふほどに筆が走りまはつてゐるのを忽ち感じるであらう。
— 南部修太郎 『氣質と文章』 青空文庫
士官の立場から物を見て書いたのでも、トルストイの「セバストポール」は、はるかに、清新に、戦争と状景が躍動して、恐ろしく深く印象に刻みつけられる。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
前世紀の中ごろあたりの西洋といえば想像されるような特別な世界が、この方四五寸の彩色美しい絵の中に躍動しているのである。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
すると、過去何百年来|歌舞伎や講談やの因襲的教条によって確保されて来た立ち回りというものに対する一般観客の内部に自然に進行するところのリズムがまさしくスクリーンの上に躍動するために、それによって観客の心の波は共鳴しつつ高鳴りし、そうして彼らの腕の筋肉は自然に運動を起こして拍手を誘発されるのであろう。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
材料は割合に平凡でも生け方で花が生動するように少しの言葉のはたらきで句は俄然として躍動する。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
ああこのわかやげる思ひこそは春日にとける雪のやうだやさしく芽ぐみしぜんに感ずるぬくみのやうだたのしくうれしくこころときめく性の躍動。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
之に反して定律詩の強味は、その拍節の明確な響からくる力強い躍動にある。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫