凝血
ぎょうけつ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
blood clot
文例 · 用例
人間の血は、心臟の休息と共に凝血して了ふから、一滴の血も出ない。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
そのとき両眼に、灼けつくようにうつったのは、棺桶の底に、ポツンと一と雫、溜っている凝血だった。
— 海野十三 『棺桶の花嫁』 青空文庫
ああ、もっと云わせてもらいたいんだけれど――そこで先生が、棺桶のなかから、凝血を採集していって、それを顕微鏡の下で調べるところから、それは人血にまぎれもないことが分るとともに、その中からグリコーゲンを多分に含んだ表皮細胞が発見されるなんてくだりを……」「ミチミ。
— 海野十三 『棺桶の花嫁』 青空文庫
御承知のとおり血液は、血管の外に出ると直ちに凝固しますが、この凝血の一片でも血中に送りこまれると、小さな血管の栓塞を起して組織を壊疽に陥れますから、どうしても血液の凝固を妨げる工夫をするより外に道はありません。
— 小酒井不木 『人工心臓』 青空文庫
然し手術は無事に済んでも、後の大血管とゴム管との接触部の内側に凝血が起り易く、やはり度々失敗を重ねましたが、活栓を速く動かすことにすれば、凝固は起らぬことを経験して、人工肺臓の工夫が成ると共に、この難関を切り抜けることが出来たのであります。
— 小酒井不木 『人工心臓』 青空文庫
と云うのは、礼拝堂の円天井に当る部分の中央の床に、二個所|彩色硝子の採光窓があいていて、そこから振綱の下にかけて、わずかではあるが、剥がれ落ちたらしい凝血の小片が散在していることであった。
— 小栗虫太郎 『聖アレキセイ寺院の惨劇』 青空文庫
その時、束に糸を粘着させていた凝血が剥がれて、それが鐘楼の採光窓の付近に落ちたのですよ。
— 小栗虫太郎 『聖アレキセイ寺院の惨劇』 青空文庫
それは、創口を塞いでいる凝血の塊だったが、底を返して見て、検事は真蒼になってしまった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫