櫛
くし異読 クシ
名詞頻度ランク #36032 · 青空 1682 例
標準
comb
文例 · 用例
五十くらいの田舎女の櫛取り出して頻りに髪|梳るをどちらまでと問えば「京まで行くのでがんす。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
茶の間の障子のガラス越しにのぞいて見ると、妻は鏡台の前へすわって解かした髪を握ってぱらりと下げ、櫛をつかっている。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
女は歌垣に加わって歌舞する手並も人並以上に優れたが、それよりも、繭を口に含んで糸を紡ぎ出し、機糸の上を真櫛でもって掻き捌く伎倆の方が遥に群を抜いていた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
欄間としても櫛形よりも角切を択ぶ。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
夜明前には奥漢鉄路で捕えられた二百名からの党員が銃殺されて、珠江に投げ棄てられた死体が河畔の摩天楼の下に櫛比して河底に埋もれ、蛋民によって水葬されたのだ。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
女の執念の殘つてゐさうな櫛や笄のたぐひも拾ひ出されなかつた。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
金は勿論であるが、櫛でもかんざしでも、煙草入れでも、眼に触れるものは何でも逃がさなかった。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
――下駄、ゴム草履、櫛、等、等。
— 黒島傳治 『窃む女』 青空文庫