難行
なんぎょう
名詞
標準
penance
文例 · 用例
こういう墓穴のような世界で難行苦行の六日を過ごした後に出て見た尾張町の夜の灯は世にも美しく見えないわけに行かなかったであろう。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
ベナレスの聖地で難行苦行を生涯の唯一の仕事としている信徒を、映画館から映画館、歌舞伎から百貨店と、享楽のみをあさり歩く現代文明国の士女と対照してみるのもおもしろいことである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
学円 今朝から難行苦行の体で、暑さに八九里悩みましたが――可恐しい事には、水らしい水というのを、ここに来てはじめて見ました。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
他力に頼るのは易行道であつて、此は頗る難行道である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
何故難行道で有るかと云ふに、今までの自己が宜しくないから、新しい自己を造らうといふのであるのに、其造らうといふものが矢張り自己なので有るからである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
其処で、稼ぎも為ず活計も立てず、夜毎に沼の番の難行は、極楽へ参りたさに、身投げを為るも同じ事、と老爺は苦笑ひをしながら言つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
この難行には脊骨もひしがれる思がするが、推敲の苦も決して矜るべきではないのである。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
噫この、ある意味に於ての荒法師が、筐中常に彼可憐の貞女の遺魂を納めて、その重荷を取り去ることを得ざりしと、懸瀑に難行して、胸中の苦熱|鎖し難き痛悩とは、豈生悟りの聖僧の能く味ふを得るところならんや。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
作例 · 標準
僧侶たちは真冬の滝に打たれるという難行に耐え、己の精神を鍛え上げている。
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この険しい山道を徒歩で登るのは、まるで修行のような難行だ。
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彼は自身の罪を贖うため、何日も不眠不休で祈りを捧げる難行に身を投じた。
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