綟
もじ
名詞
標準
hemp yarn or linen thread woven into a coarse cloth used for mosquito nets, summer clothes, etc.
文例 · 用例
たゞ納手拭の黒く綟れたのが、吹添ふ風に飜つて、ぽたんと頬を打つた。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
剩へ其の扉には、觀世綟の鎖もさゝず、一壓しに押せば開くものを、其の時まで美少年は件の自若たる態度を續けた。
— 泉鏡太郎 『みつ柏』 青空文庫
…… うの花にはまだ早い、山田|小田の紫雲英、残の菜の花、並木の随処に相触れては、狩野川が綟子を張って青く流れた。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
もう一人、袷の引解きらしい、汚れた縞の単衣ものに、綟綟れの三尺で、頬被りした、ずんぐり肥った赤ら顔の兄哥が一人、のっそり腕組をして交る…… 二人ばかり、十二三、四五ぐらいな、子守の娘が、横ちょ、と猪首に小児を背負って、唄も唄わず、肩、背を揺る。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
ドタリと音を立てて草の上にたおれると、すぐに両手を突張って起き上ろうとしたが、そのまま全身を綟じらしてゲロゲロ、ゲロゲロと白いものを嘔き始めた。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
窪みの深さ二三間、幅一二間、その底に落ち集つた川全體の水は、まるで生絲の大きな束を幾十百綟ぢ集めた樣に、雪白な中に微かな青みを含んでくるめき流るゝ事七八十間、其處でまた急に底知れぬ淵となつて青み湛へてゐるのである。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
ミミは草の葉を綟り合わせた糸に、その花を一つ一つつなぎまして、長い長い花の鎖にしてゆきました。
— 夢野久作 『ルルとミミ』 青空文庫
奮然として腕に綟をかけた。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
作例 · 標準
昔は、蚊帳に綟が使われていた。
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夏の着物には、涼しい綟の生地が好まれる。
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綟でできた丈夫な袋は、農作業に重宝された。
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