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年を越す

としをこす
表現動詞-五段-サ行
1
標準
to enter a New Year
文例 · 用例
漸つと、其の(思つた)が消えて、まざ/\と恁うしてものを言交はせば、武藏野の丘の横穴めいた、山の手場末の寂びた町を、搜り/\に稼いで歩行くのが、誘ひ合はせて、年を越す蚊のやうに、細い笛の音で、やがて木賃宿の行燈の中へ消えるのであらうと、合點して、坂上も稍もの言ひが穩かに成つたのである。
泉鏡太郎 三人の盲の話 青空文庫
どうしても年内には帰らなければならないと云っていたが、それがだんだんに延びてとうとうここで年を越すことになった。
雪達磨 半七捕物帳 青空文庫
これだけの材料を土台として、自分が直接に調べあげて見なければ気が済まないので、澹山はここで年を越すことにした。
旅絵師 半七捕物帳 青空文庫
病人も年を越す頃からそろそろ見直して、一日平温位にとゞまつてゐる時もあるやうになつた。
水野仙子 四十餘日 青空文庫
どうせ年を越すつもりでゐたんですから。
島木健作 盲目 青空文庫
その時葉子は、庸三の家で年を越すつもりで、ちょうど瑠美子を連れて来ていた。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
夜に入ってからサエは、佐太郎夫婦の家へ行ってこの年を越す気になった。
宮本百合子 鏡餅 青空文庫
お民は又一つ年を越すと、今度は川向うの桑畑へも手を拡げると云ひはじめた。
芥川龍之介 一塊の土 青空文庫