魚膠
ぎょこう
名詞
標準
gelatinous glue made from fish
文例 · 用例
面をかぶるとこの焦げ臭いにおいがいっそうひどい、そうして自分のはき出す呼気で面の内側が湿って来ると魚膠のにおいやら浅草紙のにおいやらといっしょになって実に胸の悪い臭気をかもし出すのであった。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
第八章 用談果つるを俟ちて貫一の魚膠無く暇乞するを、満枝は暫しと留置きて、用有りげに奥の間にぞ入りたる。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
……鳶尾根末、亜鉛華、麝香草、羊脂、魚膠、雷丸油、疱瘡で死んだ嬰児の脳漿、それを練り合わせた塗抹剤……お着けすることに致しましょう」 髪を梳る音がした。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
昔の墨は硬墨であったが、現在のは軟墨であること、それは膠のちがいによるもので、獣膠は硬いが魚膠は軟いからである。
— 中谷宇吉郎 『露伴先生と科学』 青空文庫
もっとも現在の日本の墨はほとんど全部魚膠で、問題にならないらしい。
— 中谷宇吉郎 『露伴先生と科学』 青空文庫