さもしい
さもしい
形容詞
標準
low
文例 · 用例
それどころか、ややもすればわれわれの中のさもしい小我のために失われんとする心の自由を見失わないように監視を怠らないわれわれの心の目の鋭さを訓練するという効果をもつことも不可能ではない。
— 寺田寅彦 『俳句の精神』 青空文庫
そのバタというものの名前さえも知らず、きれいな切り子ガラスの小さな壺にはいった妙な黄色い蝋のようなものを、象牙の耳かきのようなものでしゃくい出してパンになすりつけて食っているのを、隣席からさもしい好奇の目を見張っていたくらいである。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫
ことによると、実は自分自身の中にも、そういうふうに外国人に追従を売るようなさもしい情け無い弱点があるのを、平素は自分で無理にごまかし押しかくしている。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
」 酔った女をつれて、夜おそく宿の門をたたいたとあれば、だいいち新進作家としての名誉はどうなる、死んでもそのようなさもしいことはできない。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
おのれをあざけるのはさもしいことである。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
さもしい譬喩ではあるが、言わばビフテキのあとで良いサラダを食ったような感じがある。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
瀬古 沢本、おまえはさもしい男だなあ、なんぼ生蕃と諢名されているからって、美術家ともあろうものが「食えそうなもの」とはなんだね。
— 有島武郎 『ドモ又の死』 青空文庫
沢本 食えそうなものが出てきたんかといっただけで、なんでさもしい。
— 有島武郎 『ドモ又の死』 青空文庫