急病人
きゅうびょうにん
名詞
標準
emergency case
文例 · 用例
「さうまあセカセカ云ふものではない、急病人も世の中にはあらうさ」 看護婦は急に消沈して俯いてしまつた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
渡り廊下に近い一棟の病室の者達が、最早その赤坊の苦しげな絶え/\の泣き声のために「急病人あり」と知つて、縁側に出て見えもせぬ診察室の方に首を伸してゐた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
」「さう早く出るもんか」「だがね、今日はもう何も云つては駄目ですよ、今急病人があつてお父様は気が立つてるからね」 その時、俄然台所の方から、牛肉か何かを叩く音がして来ると、そゝくさと蒼い顔の妻君は長男の部屋をも立ち去つた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
藤さんが急病人にでもなったんですか」と、お新は不思議そうに云った。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
……急病人があるんだ、去つて下さい。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
) ツて、ニヤリと茶色の齒を見せて笑つたさうです……(可い所とは何だ無禮な、急病人があると云ふのに、) と極めつけますとね。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
急病人の方へは先に駈附けるじゃございませんか。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
奥には四畳半の離屋があるので、急病人をそこへ運び込んで介抱していると、幸いに病人は正気に戻った。
— 岡本綺堂 『影を踏まれた女』 青空文庫