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表側

おもてがわ
名詞名詞-の形容詞
1
標準
the front
文例 · 用例
「家は腰高の塗骨障子を境にして居間と台所との二間のみなれど竹の濡縁の外には聊かなる小庭ありと覚しく、手水鉢のほとりより竹の板目には蔦をからませ、高く釣りたる棚の上には植木鉢を置きたるに、猶表側の見付を見れば入口の庇、戸袋、板目なぞも狭き処を皆それぞれに意匠して網代、船板、洒竹などを用ゐ云々」。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
太陽は今、彼が頭を向けてる大建築の表側の方にいるらしく、彼の足の向うに並んだ赤煉瓦とコンクリートの家の上の方、五分の一ばかりを、黄色く照し出していて、その下の方を冷たい紫色の日陰に彩っていた。
夢野久作 童貞 青空文庫
二階の表側の一室は、物置部屋に代った空事務室の上だから、私の部屋からは知れないようなものの、少くとも河に面した方の二階の今一つの空部屋は私が半日ずつ住むこの部屋のすぐ頭の上だから、いかに床の層が厚くても、普通に人が住むならその気配いは何とか判りそうなものだ。
岡本かの子 河明り 青空文庫
」 探偵達は今度は表側のもう一つの寢室と大きな居間を取り調べたが、格別かき亂されたやうな形跡は見えなかつた。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
」 と、巡査部長はかぶりを振つて、「それから、犯人の目撃者に就きましては部下に申しつけまして、この建物や近所の住居人を早速調査させてをりますが‥‥」 グスタフソンとソオルは住居の表側の方へまた戻つて行つた。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
四階の廊下のつき当りにある表側の小さな部屋は開かれていて、扉が少しあいていた。
THE MURDERS IN THE RUE MORGUE モルグ街の殺人事件 青空文庫
――人の往来は織るようで、申しては如何ですが、唯表側だけでしょうけれど、以前は遠く視められました、城の森の、石垣のかわりに、目の前に大百貨店の電燈が、紅い羽、翠の鏃の千の矢のように晃々と雨道を射ています。
泉鏡花 菊あわせ 青空文庫
屍体の背面には表側と同じ様に、深い擦過傷が所々に喰い込み、労働服の背中にはまだ柔い黒色の機械油が、引き裂かれた上着の下のジャケットの辺りまで、引っこすった様にべっとりと染み込んでいる。
大阪圭吉 カンカン虫殺人事件 青空文庫
作例 · 標準
例句