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牛鍋

ぎゅうなべ
名詞
1
標準
sukiyaki
文例 · 用例
学生の頃の最大のラキジュリーは豊国の牛鍋であった。
寺田寅彦 病院風景 青空文庫
しかし、その当時に、当時には御馳走と思われた牛鍋や安洋食を腹いっぱいに喰って、それであとで風邪を引いたというはっきりした経験はついぞ持合わせず、従ってM君の所説は一向に無意味なただの悪まれ口としか評価されないで閑却されていたのである。
寺田寅彦 変った話 青空文庫
地獄だ、地獄だ、と思いながら、私はいい加減のうけ応えをして酒を飲み、牛鍋をつつき散らし、お雑煮を食べ、こたつにもぐり込んで、寝て、帰ろうとはしないのである。
太宰治 青空文庫
「さしみと、オムレツと、牛鍋とおしんこを下さい。
太宰治 デカダン抗議 青空文庫
茶めし餡掛、一品料理、一番高い中空の赤行燈は、牛鍋の看板で、一山三銭二銭に鬻ぐ。
泉鏡花 露肆 青空文庫
その姿が、毛氈の赤い色、毛布の青い色、風呂敷の黄色いの、寂しい媼さんの鼠色まで、フト判然と凄い星の下に、漆のような夜の中に、淡い彩して顕れると、商人連はワヤワヤと動き出して、牛鍋の唐紅も、飜然と揺ぎ、おでん屋の屋台もかッと気競が出て、白気濃やかに狼煙を揚げる。
泉鏡花 露肆 青空文庫
片岡牛鍋、尾上天麩羅、そこへ並べさせてみよう了簡。
泉鏡花 陽炎座 青空文庫
が、近附いて見ると、坂東、沢村、市川、中村、尾上、片岡、役者の連名も、如件、おそば、お汁粉、牛鍋なんど、紫の房の下に筆ぶとに記してあった…… 松崎が、立寄った時、カイカイカイと、ちょうど塀の内で木が入って、紺の衣服に、黒い帯した、円い臀が、蹠をひょい、と上げて、頭からその幕へ潜ったのを見た。
泉鏡花 陽炎座 青空文庫