近状
きんじょう
名詞
標準
recent situation or conditions
文例 · 用例
(明治四十年十月二十五日『東京朝日新聞』) 二十五 火星の近状 今年の夏、火星が我が地球に最も接近した位地に来ていた頃、米国のロウエル天文台ではこの好機会を利用して種々の観測をした。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
そこで右衛門は遂に夫の匡衡に委曲を語って、定基の近状の良くないことを云い、其妻のあわれなことを告げ、何とかしてやって欲しいことを訴えた。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
色々と小生の近状を御配慮下さる方々に、ただ小生が健全で如何なる苦痛と羞辱とにも耐え忍び得る程、敬虔な勇気ある状態に自己の霊を温めつゝある事をお伝へしたいと思ひます。
— 北原白秋 『わが敬愛する人々に』 青空文庫
しかし自分は近年東京に出ていて、彼と一年に一度会うぐらいのことであるから、その近状についてはなんにも知らないと、あらかじめ一種の予防線を張っておいた。
— 岡本綺堂 『水鬼』 青空文庫
ヱズヰオに登らんは煩はしけれど、ポムペイの發掘の近状を見んこと面白かるべし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
そして武村に約束したことも忘れて、つひ寿美子の近状について、簡短に話してしまつた。
— 徳田秋聲 『彷徨へる』 青空文庫
その頃は眉山と私との往来はやや疎縁になって、眉山の近状について余り知らなかったが、が、こういう悲惨な最後を耳にしようとはかつて夢にだも想像しなかった。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
私はここ一年あまり、博士とはほとんど文通もしていなかったので、博士の近状について何ら知るところがなく、おまけに最近、しばらく筆を絶っておられた探偵小説の方面へも捲土重来の意気込みで執筆されるという噂を聞いていたので、健康もますます順調に回復されていたものと喜んでいたくらいだったのである。
— 平林初之輔 『作家としての小酒井博士』 青空文庫