蚊火
かび異読 かひ
名詞
標準
smoky fire to repel mosquitoes
文例 · 用例
蚊火の煙などといって歌の材料になるのは、進化した専門的蚊遣でなしに、むしろ原始的な濛々たる煙の方ではないかと思う。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
みよ空にまぼろしの島うかびて、樹木いつさいに峯にかがやき、憂愁の瀑ながれもやまず、われけふのおとろへし手を伸べ、しきりに齒がみをなし、光る無禮の風景をにくむ。
— 萩原朔太郎 『光る風景』 青空文庫
永日和讚萩原朔太郎ひとのいのりはみなみをむき、むぎはいつしん、うをはいつしん、われはしんじつ、そらにうかびて、ゆびとゆびと哀しみつれ、たましひはねもごろにほとけをしたふ。
— 萩原朔太郎 『永日和讚』 青空文庫
〔青びかる天弧のはてに〕宮沢賢治青びかる天弧のはてにきらゝかに町はうかびて六月のたつきのみちはいまやはた尽きはてにけりいさゝかの書籍とセロを思ふまゝ〔以下空白〕
— 宮沢賢治 『〔青びかる天弧のはてに〕』 青空文庫
浦島が龍宮から海の上に浮かび出たとたんに、白髮の三百歳に變化したといふのなら、まだ話がわかる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
かびろき胸のピアノ鳴り 祖先はあらず、親も消ぬ。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
七合五勺で、日本アルプスの最高点以上の空に浮かび上っているのだ。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
枝垂桜は夢のように浮かびでて現代的の照明を妖艶な全身に浴びている。
— 九鬼周造 『祇園の枝垂桜』 青空文庫
作例 · 標準
夏休みの夜、祖父の家の縁側で蚊火を焚いて、涼んでいたのが懐かしい。
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キャンプファイヤーの煙で蚊火の代わりになり、虫が寄ってこなかった。
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昔の人は、軒先で蚊火を焚いて夏の夕暮れを過ごしたものだ。
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