恩命
おんめい
名詞
標準
gracious command or words
文例 · 用例
それで甘露的恩命が僕等|両人に下ったのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
特別の恩命を以て洋行を仰つけられた二年の倍を義務年限とすると此四月で丁度年期はあける訳になる。
— 夏目漱石 『入社の辞』 青空文庫
翁も亦、能静氏の恩命を思い、流儀の大事を思い、翁の本分を省み、且つ、依頼者の知遇を思えば、引くに引かれぬ場合と思ったのであろう。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
「恩命難有くお受いたします。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
院もお礼の御|挨拶をあそばされたが、それは、「突然の御恩命はあまりに過分なお取り扱いで、若い彼が職に堪えますかどうか疑問にいたしております」 こんな謙遜なお言葉であった。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
父君二代将軍に謁見すれば、家の事に就ても新たなる恩命、慶賀すべき沙汰が無いとも限るまい、愛児の為に悪しゅうは有るまいと、空頼みと云わば云え、希望に輝く旅立であった。
— 江見水蔭 『怪異黒姫おろし』 青空文庫
しかるに時を待つて決すると云ふ方は、どうかすると、その待つて居る間に恩命に浴して一命が助かることがあります。
— 桑原隲藏 『支那の古代法律』 青空文庫
この苛烈さは、宗家が新政権の前をつくろったに過ぎまい、不日、再び恩命に接するに相違あるまい――と。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫