温泉場
おんせんば
名詞
標準
place where there are hot springs
文例 · 用例
尤も野州の那須のやうに、温泉場としては、代表的な「田舎者の湯治場」でありながら、自然としては極めて明快な高原的眺望をもつた所もある。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
温泉場や避暑地の興味に於ける大部分は、一種のロマンチツクな夢幻的情趣――山巒の奥深く美しい生活の夢を捉へるといふやうな、言はば山間都市に対する蜃気楼的な幻想――にある。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
人工的方面や、温泉場としての気分の好いことは勿論だが、自然の展望から言つても、箱根の感じは別である。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
そしてその石段道の一方からは、絶えず温泉くさい湯気が朦々と立ち登つて、如何にも温泉場らしい特異の感じがする。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
温泉場の気分は「静かな華やかさ」にあつて「賑やかな騒々しさ」にないのだから。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
自然は相当に美しいが、何分近在の百姓が大勢詰めかけるので、伊香保そのものの空気が、まるで田舎の温泉場に変つてしまふ。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
朝夕の散歩のかへり道に、このホテルの静かな食堂へ入つて、大層冥想的な紅茶を飲むのは、温泉場の物侘しい生活にふさはしいことである。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
温泉場と階段はとかくつきものである。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫