温泉地
おんせんち
名詞
標準
hot spring area
文例 · 用例
私のいる温泉地から、少しばかり離れた所に、三つの小さな町があった、いずれも町というよりは、村というほどの小さな部落であったけれども、その中の一つは相当に小ぢんまりした田舎町で、一通りの日常品も売っているし、都会風の飲食店なども少しはあった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
温泉地からそれらの町へは、いずれも直通の道路があって、毎日定期の乗合馬車が往復していた。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
此人車鐵道の目的が熱海、伊豆山、湯ヶ|原の如き温泉地にあるので、これに乘れば最早大丈夫といふ氣になるのは温泉行の人々皆な同感であらう。
— 国木田独歩 『湯ヶ原より』 青空文庫
そしてその乗合自動車のやって来る起点は、ちょうどまたこの溪の下流のK川が半町ほどの幅になって流れているこの半島の入口の温泉地なのだった。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
二 私が二十歳になったとしの正月、東京から汽車で三時間ほどして行ける或る海岸の温泉地へ遊びに出かけた。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
私が出かけた温泉地は、むかし、尾崎紅葉の遊んだ土地で、ここの海岸が金色夜叉という傑作の背景になった。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
けれども、その慚愧の念さえ次第にうすらぎ、この温泉地へ来て、一週間目ぐらいには、もう私はまったくのんきな湯治客になり切っていた。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫
それから、この温泉地に最近来たことのある二三の作家の名前を言った。
— 太宰治 『断崖の錯覚』 青空文庫