勤勉家
きんべんか
名詞
標準
diligent worker
文例 · 用例
予は殆ど毎日十八時間労働した、されば予は忽ち同業者間第一の勤勉家と云う評を得た。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
勤勉家と云えば立派であるが当時の状況はそれほど働かねば業が成立せぬのだ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
例えば貧乏を嫌う妻が金持ちの老人の許に出奔したのを怒って、その残された夫が富を欲して非常な勤勉家となるような、また例えば家庭の波乱に苦しむ人が或る芸術や或る事業に熱心になり、常人の及びつかない精励をするような、このような事例は世に稀でないが、これ等の中には真に張る気を生じるものもある。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
斯んな勤勉家のお前と私とが、万一夫婦になつたら村一番の金持になるだらうね。
— 牧野信一 『パンアテナイア祭の夢』 青空文庫
稀に見る勤勉家だ、何といふ好もしい学者肌の青年だらう――と此処の所長は僕のことを噂してゐるさうだ。
— 牧野信一 『風媒結婚』 青空文庫
一 イワン・フョードロ※ッチ・シュポーニカ イワン・フョードロッチ・デェプリチャースティエは、いつも、受持児童が残らずシュポーニカのやうな勤勉家ばかりだつたら、自分は楓樹の定規などを教室へ持つて来るには及ばぬのだがと、言ひ言ひしたものだ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
平岡は、あの地で、最初のうちは、非常な勤勉家として通つてゐたのだが、三千代が産後心臓が悪くなつて、ぶら/\し出すと、遊び始めたのである。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
葉子の家では以前町の大通り筋に塩物や金物の店を出していたこともあって、美貌の父は入婿であったが、商才にも長けた実直な勤勉家で、田地や何かも殖やした方であったが、鉄道が敷けて廻船の方が挙がったりになってからも、病躯をかかえて各地へ商取引をやっていた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫