憂患
ゆうかん
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
sorrow
文例 · 用例
この小さな、緑色に繁茂り栄えた島の中には、稀に居る大きな蟻のほかに、私たちを憂患す禽、獣、昆虫は一匹も居ませんでした。
— 夢野久作 『瓶詰地獄』 青空文庫
讀書は徒らに人の憂患を増すのみの歎は、一世の碩學にさへあることだから、單に安樂といふ意味から云ツたら其も可からうけれど、僕等は迚も其ぢや滿足出來ないぢやないか。
— 三島霜川 『虚弱』 青空文庫
ああ故郷にありてゆかず鹽のごとくにしみる憂患の痛みをつくせりすでに孤獨の中に老いんとすいかなれば今日の烈しき痛恨の怒りを語らんいまわがまづしき書物を破り過ぎゆく利根川の水にいつさいのものを捨てんとす。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
經濟界ノ好況ヲ却テ反對ニ國民生活ノ憂患トスル現下ノ大矛盾ハ一ニ國家ガ「金權」ヲ有セザルニ基ク。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
げにや、『人生讀書憂患始』、人も此のやうに沒分曉漢になれば、長命は出來る筈也。
— 大町桂月 『赤城山』 青空文庫
三|界は安きことなし、猶火宅の如し衆苦充満して、甚だ畏怖べしつねに生、老、病死の憂患あり是の如き業の火、熾然として息まず 私どもの住むこの世界は、あたかもさかんに燃えている火宅である、という釈尊のこの体験こそ、尊い人間苦への警告だったのです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
是の憂患に充てる人生に於て、相愛し相慕へる年少男女が、薔薇花かをる籬の蔭、月の光あかき磯のほとりに、手を携へて互に戀情を語り合ふ時、其の樂みや如何ならむ。
— 高山樗牛 『美的生活を論ず』 青空文庫
けだし人事の憂患、消極の域内に在るの間は、未だその積極を謀るに遑あらざるなり。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
作例 · 標準
彼は故郷の未来を憂患し、夜も眠れない日々が続いた。
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世界の貧困問題を憂患する声は、日増しに高まっている。
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その出来事は、人々に深い憂患をもたらした。
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