裁ち板
たちいた
名詞
標準
tailor's cutting board
文例 · 用例
奥いっぱいにひろげられた裁ち板の前で歯入れやの神さんは、大柄で体に或る権威を湛えながら、対手をしている。
— 宮本百合子 『朝の風』 青空文庫
私が例の待合裏の女をたづねたのは、二月のある寒い晩で、下駄のあとや、こね返したやうな泥濘がカチカチに凍え上つた、見るからに寒さを感じるやうな裏町を、からからと鳴る下駄の音をしのびながら行くと、女は、明るい電燈の下で、派手な模樣の銘仙ものを裁ち板にあてがつてゐたところであつた。
— 室生犀星 『蒼白き巣窟』 青空文庫
少し、しつこく女の子を、からかいすぎたので、とうとう博士は、女の子の辻占を買わなければならない仕儀にたちいたりました。
— 太宰治 『愛と美について』 青空文庫
「公明日月の如し」とか、「我が身命を愛さず唯惜しむ無上道」とか、「得意淡然失意泰然」とかいう辞句は時利あらず、いかような羽目にたちいたろうともわがこころに愧じるところなく、確信ゆるがずという文句である。
— 宮本百合子 『新しい潮』 青空文庫
だけど、あなたと自分はこんな風な運命にたちいたつてしまつて、いまとなつてはどうする事も出來ない。
— 林芙美子 『秋果』 青空文庫
してみると愈々てれくさい話になるわけで、なんとかして敵の蒙を啓き身の潔白を立てる方策を講じないことには、うかうかあの界隈を散歩もできない窮地にたちいたつた次第だが、そこで俺は手紙を書いた」「またか!
— 坂口安吾 『西東』 青空文庫
その謬りの果、辿り辿ってゆけば、やがては、それは政治の、法律の欠陥にまでたちいたるのである。
— 中井正一 『図書館法を地方の万人の手に』 青空文庫
かつ、攘夷決戦のおりから、君臣一和にこれなく候ては相叶わざるのところ、大樹関東へ帰府せられ、東西相離れ候ては、君臣の情意相通ぜず、自然隔離の姿に相成るべく、天下の形勢救うべからざるの場合にたちいたり申すべく候。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
作例 · 標準
洋服作りの工程で、裁ち板の上に布を広げた。
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正確な裁断のため、丈夫な裁ち板を使用した。
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昔ながらの仕立て屋には、使い込まれた裁ち板がある。
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