市人
いちびと
名詞
標準
city market seller
文例 · 用例
瑞香 ぢんちやうげは、市人の俳諧学びたるが如し。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
初期のは市人の中の気慨のある者か或は武士の仕官の途に断念した者などが、武士の跋扈に反抗して之を膺懲し或は之に対抗する考へから起つたのであるらしいが、夫から以後、即ち天明前後から天保あたりへ懸けての侠客といふものは多くは博徒のやうな類である。
— 幸田露伴 『侠客の種類』 青空文庫
このようにして、白昼帝都のまん中で衆人環視の中に行なわれた殺人事件は不思議にも司直の追求を受けずまた市人の何人もこれをとがむることなしにそのままに忘却の闇に葬られてしまった。
— 寺田寅彦 『火事教育』 青空文庫
卜多く奇中して、市人伝えて以て神となす。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
と唱へ出す節は泣くがごとく、怨むがごとく、いつも(應)の來りて市街を横行するに從うて、件の童謠東西に湧き、南北に和し、言語に斷えたる不快嫌惡の情を喚起して、市人の耳を掩はざるなし。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
向って鳥居から町一筋、朝市の済んだあと、日蔽の葭簀を払った、両側の組柱は、鉄橋の木賃に似て、男も婦も、折から市人の服装は皆黒いのに、一ツ鮮麗に行く美人の姿のために、さながら、市松障子の屋台した、菊の花壇のごとくに見えた。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
諸君、他日もし北陸に旅行して、ついでありて金沢を過りたまわん時、好事の方々心あらば、通りがかりの市人に就きて、化銀杏の旅店?
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
久しくその名聞えざりしが、この一座に交りて、再び市人の眼に留りつ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
標準
city resident