劈
へき
名詞
標準
break
文例 · 用例
その上、重く堅い巌を火の力により劈き、山形にわたくしを積み上げさせたということは、仇おろそかのすさびに出来る仕事ではない。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
自分は先づ劈頭第一に『喋舌る事の出來ない者は大馬鹿である』 三『喋舌ることの出來ないのを稱して大馬鹿だといふは餘り殘酷いかも知れないが、少くとも喋舌らないことを以て甚く自分で豪らがる者は馬鹿者の骨頂と言つて可ろしい而して此種の馬鹿者を今の世にチヨイ/\見受けるには情ない次第である。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
『忘れ得ぬ人は必ずしも忘れてかなうまじき人にあらず、見たまえ僕のこの原稿の劈頭第一に書いてあるのはこの句である。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
それは岩のような現実が突然に劈開してその劈開面をチラッと見せてくれるような瞬間だ。
— 梶井基次郎 『海 断片』 青空文庫
定罰のような闇、膚を劈く酷寒。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
※6 劈開=鉱物が一定の方向に割れる性質。
— 宮沢賢治 『インドラ[※1]の網』 青空文庫
またその桔梗いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片や青宝玉の尖った粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらまでごく精巧のピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手に呼吸し勝手にぷりぷりふるえました。
— 宮沢賢治 『インドラの網』 青空文庫
能という名前「能」を説明しようとする劈頭第一に「能」という言葉の註釈からして行き詰まらねばならぬ。
— 夢野久作 『能ぎらい/能好き/能という名前』 青空文庫
作例 · 標準
巨大な岩石をダイナマイトで劈いて、山の反対側へ抜けるトンネルの道筋を作る。
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伝説の剣聖が放った一太刀は、敵の厚い鉄板の盾さえも真っ二つに劈いた。
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荒れ狂う冬の海を劈いて進む砕氷船の力強い姿に、乗組員たちは希望を見出した。
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