小鬢
こびん
名詞
標準
lock of hair (on the side of the head)
文例 · 用例
「あの、あなたの奥さまの悲劇はどういうことから起りましたの」 すると、及川はぐっと口を結んだが、額の小鬢には興奮の血管が太く二三筋現れました。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
五分刈のなだらかなるが、小鬢さきへ少し兀げた、額の広い、目のやさしい、眉の太い、引緊った口の、やや大きいのも凜々しいが、頬肉が厚く、小鼻に笑ましげな皺深く、下頤から耳の根へ、べたりと髯のあとの黒いのも柔和である。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
一度、しかとしめて拱いた腕を解いて、やや震える手さきを、小鬢に密と触れると、喟然として面を暗うしたのであった。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
小鬢に霜のわれらがと、たちまち心着いて、思わず、禁ぜざる苦笑を洩すと、その顔がまた合った。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
夫人は自分の変化をかの女に気取られたのを知って、ちょっとしまったという様子を見せ、指を旧式な「髷なし」という洋髪の鬢と髱の間へ突込んで、ごしごし掻きながら、しとやかな夫人を取り戻す心の沈静に努める様子だったが、額の小鬢には疳の筋がぴくりぴくり動いた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
巴里の郊外にも電柱はあったが道筋の家の壁や屋根を借りて取り付けたもので長さも小さく小鬢に笄を挿したほどの恰好だ。
— 岡本かの子 『豆腐買い』 青空文庫
飛びあがって来たときに、その顔をも蹴られたと見えて、左の小鬢にも血がしたたっていた。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
と申しますと、まことに不念のようで恐れ入りますが、なにぶん手前どもでも困っている矢先でもあり、徳さんが万事をひき受けると申しますものですから、その上にくわしくも詮議いたしませんで……」と、利八は小鬢をかきながら答えた。
— あま酒売 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
着物姿の女性の小鬢から、うなじがのぞいていた。
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彼は小鬢の白髪を気にして、毎朝鏡を見ている。
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舞妓さんの小鬢は、美しさを引き立てる重要な要素だ。
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