別天地
べってんち
名詞
標準
another world
文例 · 用例
鶯や駒鳥はいつも鳴いてゐるし、樹陰の深い緑は所々にあるし、それだけで山間の別天地をなした鮮新な温泉町としてゐる。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
此の山懷の一隅には非常時の嵐が未だ屆いて居ないのか、妙にのんびりした閑寂の別天地である。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
あんまり突如として入った別天地に私は草臥れるのも忘れて、ただ、せっせと主人について歩いて行くうちどのくらいたったか、ここが峠だという展望のある平地へ出て、家が二三軒ある。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
東京にこんなところがあったかと思うような別天地である。
— 寺田寅彦 『猫の穴掘り』 青空文庫
しかしかくのごとくして出来た科学の別天地はもともと便宜上から所知者を切り離して出来たものであるから、問題が能知者との関係にわたる場合には科学の範囲を脱して、科学ばかりではもう始末の付かぬ事は明らかである。
— 寺田寅彦 『文学の中の科学的要素』 青空文庫
また今日では、僕等の歐風的な敍情詩と、傳統的な詩形による歌や俳句やの短詩とが、全く交渉のない別天地の者になつてゐるが、當時はそれが一つであり、廣義の「詩」といふ觀念中に、歌や俳句や敍情詩(當時はそれを長詩と呼んだ)が、一所に取扱はれてゐたほどだつた。
— 萩原朔太郎 『追憶』 青空文庫
表通りの繁華から折れ曲って来たものには、別天地の感じを与える。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
更に、日露戦争後に到っても独歩がやはり軍事的ブルジョアジーのイデオロギーに立っていたことは、「号外」「別天地」等の小説によって看取される。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
作例 · 標準
トンネルを抜けると、そこは雪に覆われた別天地だった。
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都会から数時間車を走らせただけで、まるで別天地のような静かな森に着いた。
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ハワイの青い海と白い砂浜は、日々の疲れを忘れさせてくれる別天地だ。
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