胚珠
はいしゅ
名詞
標準
ovule
文例 · 用例
街のなかを花とふりそそぐ亡霊のやうに、ひとしづくの胚珠をやしなひそだてて、ほのかなる小径の香をさがし、もつれもつれる手の愛にわたしのあたまは野火のやうにもえたつ。
— 大手拓次 『藍色の蟇』 青空文庫
胚珠 今日の我が植物学界では、花に在る子房の中の Ovule を胚珠と呼んで誰れも疑わずにいるが元来これは明かな誤認である。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
今その誤認である所以を明かにするには、まず胚珠の語の生れ出て来た歴史を言って見なければならないが、これもまた原とは支那人の作った訳語でそれは前に書いた咸豊七年発刊の彼の『植物学』に始めて出ている。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
しかれば胚珠は何の訳語であったかと言うと、それは決して今日日本人が用いているような Ovule に対しての訳語ではなかった。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
そして実はそれ Ovule の中心体を成している Nucellus(今の人はこれを珠心といっているがすなわちこの珠心が真の胚珠である)の訳語であったのである。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
卵〔牧野いう、Ovule の事〕ハ胎座内ニ在テ後ニ種子ト成ル、卵ハ大率子房ノ中ニ居ス……卵ニ胞〔牧野いう、膜皮の事〕アリ或ハ一層或ハ二層、卵内ニ胚珠一点アリ、即チ異日果中ノ胚ナリ 今了解し易い様に図を以て示せば右の如くである。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
この様にその事実が最も明瞭なるに拘わらず、我が邦人はどうしてこれを間違え Ovule を胚珠としたのかというと、これは明治七年頃に当時の博物局の学者が為した事が極めて不徹底であったからである。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
その結果 Ovule を胚珠と為して、これを明治七年に文部省で発行した『植物訳筌』で公にしたので、それでそう成ってしまったのである。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫
作例 · 標準
理科の授業で、被子植物の胚珠が受粉後に種子になる過程を学んだ。
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顕微鏡を覗くと、子房の中に小さな胚珠が並んでいるのがはっきりと見えた。
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ソテツのような裸子植物では、胚珠がむき出しの状態でついている。
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