衆俗
しゅうぞく
名詞
標準
the masses
文例 · 用例
そのため私等の創作は詩壇の正流から異端視され、衆俗からは様々の嘲笑と悪罵とを蒙つたほどである。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
世に、緋、紫、金襴、緞子を装うて、伽藍に処すること、高家諸侯の如く、あるいは仏菩薩の玄関番として、衆俗を、受附で威張って追払うようなのが少くない。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
鴎外を難解な、深遠のものとして、衆俗のむやみに触れるべからずと、いかめしい禁札を張り出したのは、れいの「勉強いたして居ります。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
京伝だの三馬だの一九だのという人々は即ち並行線的作者で、その思想も感情も趣味も当時の衆俗と殆ど同じなのであり、したがってその著作は実社会をそっくり写したような訳合になるのです。
— 幸田露伴 『馬琴の小説とその当時の実社会』 青空文庫
馬琴に至りますと、杉や檜が天をむいて立つように、地平線とは直角をなして、即ち衆俗を抽んでて挺然として自ら立って居りますので、その著述は実社会と決して没交渉でも無関係でもありませんが、しかし並行はして居りませぬのです。
— 幸田露伴 『馬琴の小説とその当時の実社会』 青空文庫
衆俗の目を駭かすことは到底一輪の紅薔薇に似た、非凡なる襟飾りに及ぶ筈はない。
— 芥川龍之介 『谷崎潤一郎氏』 青空文庫
衆俗に諛びることなき真面目なる研究は、洋の東西を問わず、時の古今を論ぜず、唯純粋に名品の心を学び、己れを築くに謙虚な心構えを以てするということが、何より必要だとしなくてはなるまい。
— 北大路魯山人 『窯を築いて知り得たこと』 青空文庫
強ひて己れを辯護し、藝術の何たるかを衆俗に知らしめる必要は決してない。
— 永井壯吉 『歡樂』 青空文庫
作例 · 標準
「そんな衆俗の噂に惑わされてはいけない」と、祖父は厳しく私を諭した。
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高尚な芸術を目指す彼は、衆俗に迎合することを何よりも嫌っていた。
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衆俗の関心は、常に新しいスキャンダルや娯楽に向けられている。
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