幽谷
ゆうこく
名詞
標準
deep ravine
文例 · 用例
何処の深山から出て何処の幽谷に消え去るとも知れぬこの破壊の神は、あたかもその主宰者たる「時」の仕事をもどかしがっているかのように、あらゆるものを乾枯させ粉砕せんとあせっている。
— 寺田寅彦 『凩』 青空文庫
その中の一評者が「一時は紀行文は前人の未だ踏まない深山幽谷の奇景を、紹介するのを職とするような傾向であった、いや今でも、そういう好奇心で、紀行を書いている人もあるようだが、これはつまらぬことだろう」と言って、明らかに私に当たっている。
— ――田山花袋氏―― 『紀行文家の群れ』 青空文庫
深山幽谷の中に置かれた発電所は、吾々の眼には矢張その環境にぴつたりはまつてザハリッヒな美しさを見せてゐる。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
深山幽谷の中に置かれた発電所は、われわれの眼にはやはりその環境にぴったりはまってザハリッヒな美しさを見せている。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫
(F・O)T その夜 深更――S=荒れ果てた辻堂 辺りは古い杉の木が茂った深山幽谷である。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
那な大木のあるのは蓋し深山であろう、幽谷でなければならぬ。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
水源は秋の日など隅田堤より遠く西の方に青み渡りて見ゆる秩父郡の山※の間にて、大滝村といへるがこの川の最上流に位する人里なれば、それより奥は詳しく知れねど、おもふに甲斐境の高山幽谷より出で来るなるべし。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
地形測量をする測量班員が深山幽谷をさまようて幾日も人間のにおいをかがずにいて、やっとどこかの三角点の櫓にたどりつくと、なんとなくうれしさとなつかしさに胸をおどらすという話である。
— 寺田寅彦 『地図をながめて』 青空文庫
作例 · 標準
登山者は、深く険しい幽谷を慎重に進んでいった。
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その幽谷の底には、澄んだ清流が流れていた。
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「わあ、この幽谷の景色は息をのむほど美しいね!」と友人が感動した。
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