肉筆
にくひつ
名詞名詞-の形容詞
標準
one's own handwriting
文例 · 用例
国定教科書の肉筆めいた楷書の活字。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
こんな事を考えてみるだけでもそこにいろいろなまじめな興味ある問題を示唆されるのであるが、その示唆の呪法の霊験がこの肉筆の草稿からわれわれの受けるなまなましい実感によっていっそう著しく強められるであろうと思われるのである。
— 寺田寅彦 『小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」』 青空文庫
その幽霊の顔とともに、夫人の黒髪、びん掻に、当代の名匠が本質へ、肉筆で葉を黒漆一面に、緋の一輪椿の櫛をさしたのが、したたるばかり色に立って、かえって打仰いだ按摩の化ものの真向に、一太刀、血を浴びせた趣があった。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
それが、通夜の伽の話に父の後妻がわたくしに語ったところに依ると、「おとうさんはお年を召してから、あんたの肉筆の短冊を何処かで買い求めて来なさって、ときどき取出しては人に自慢に見せたり自分でも溜息をついては見ていらっしゃいました。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
真偽の分からぬ肉筆の浮世絵の軸物を掛けて、一輪挿に山梔の花を活けた床の間を背にして座を占めた末造は、鋭い目であたりを見廻した。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
古賀氏の尽力で、表装されて只圓翁肉筆の歌集として世に残る筈である。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
各頁とも花のような肉筆に埋まって、ふるい昔の誰かの驚嘆すべき努力が変色したいんくのあとに見られた。
— 白夜幻想曲 『踊る地平線』 青空文庫
この肉筆物はもっぱら寛永前後のものが、中心に集められてあるもののようで、比較的錦絵の盛んだった近世の作家のものが、少なかったように思います。
— ――花は霞を透してひとしおの風情があるもの―― 『浮世絵画家の肉筆』 青空文庫
作例 · 標準
この手紙は、彼女自身の肉筆(にくひつ)で書かれており、温かみが感じられる。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
標準
as written with a brush
作例 · 標準
この絵は、有名な画家が肉筆で描いた、貴重な油絵だ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite