尾鰭
おびれ
名詞
標準
caudal fin
文例 · 用例
それはとにかくこの人の云う通り、自分なども五十年来書物から人間から自然からこそこそ盗み集めた種に少しばかり尾鰭をつけて全部自分で発明したか、母の胎内から持って生れて来たような顔をして書いているのは全くの事実なのである。
— 寺田寅彦 『随筆難』 青空文庫
石が尾鰭まで生やして、魚になっても生き上らんいのちの執拗さを示している。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そのとき日光の柱は水のなかの尾鰭に射して青くまた白くぎらぎら反射した。
— 宮澤賢治 『龍と詩人』 青空文庫
春さきの小川の淀みの淵を覗いていると、いくつも鮒が泳ぎ流れて来て、新茶のような青い水の中に尾鰭を閃めかしては、杭根の苔を食んで、また流れ去って行く。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
するともうあとの鮒が流れ溜って尾鰭を閃めかしている。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
殊にこの川に棲んでいる鯉は紫鯉というので、頭から尾鰭までが濃い紫の色をしているというのが評判でした。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
噂はそれからそれへと伝えられて、ふだんから歌女寿を快く思っていない人達は、更に尾鰭を添えていろいろのことを云い出した。
— お化け師匠 『半七捕物帳』 青空文庫
」 蔭では尾鰭をつけて色々の噂をするものの、武士と武士との交際では流石に面と向つて幽靈の詮議をする者もなかつたが、その中に唯一人、頗る無遠慮な男があつた。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
作例 · 標準
例句