掏摸
すり異読 スリ
名詞頻度ランク #13104 · 青空 450 例
標準
pickpocket
文例 · 用例
十月十四日土曜午前十一時上野發に乘つたが、今度は掏摸の厄介にはならなくて濟んだし、汽車の中は思ひの外に空いて居たし、それに天氣も珍らしい好晴であつたが、慾を云へば武藏野の秋を十二分に觀賞する爲には未だ少し時候が早過ぎて、稻田と桑畑との市松模樣の單調を破るやうな樹林の色彩が乏しかつた。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
掏摸が一度、豪勢な身なりをしている男の懐中物をくすねて鼻をあかしてやると、その快味が忘れられず、何回もそれを繰りかえし、かっぱらう。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
彼は、ちょうど、その掏摸根性のような根性を持っていた。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
こんなのが大きくなって、掏摸の名人なんかになるものだ。
— 太宰治 『小さいアルバム』 青空文庫
けれども、案外にも、どこか一つ大きく抜けているところがあると見えて、掏摸の親方になれなかったばかりか、いやもう、みっともない失敗の連続で、以後十数年間、泣いたりわめいたり、きざに唸るやら呻くやら大変な騒ぎでありました。
— 太宰治 『小さいアルバム』 青空文庫
盛り場である人がなんの気なしにとった写真に掏摸が椋鳥のふところへ手を入れたのがちゃんと写っていたという話を聞いたこともある。
— 寺田寅彦 『カメラをさげて』 青空文庫
掏摸に金をすられた肥った年増の顔、その密告によって疑いの目を見張る刑事の典型的な探偵づら、それからポーラを取られた意趣返しの機会をねらう悪漢フレッド、そういう顔が順々に現われるだけでそれをながめる観客は今までに起こって来た事件の行きさつを一つ一つありありと思い出させられる。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
また掏摸にすられた中ばあさんが髪をくくりながら鼻歌を歌っているうちに手さげの中の財布の紛失を発見してけたたましい叫び声を立てるが、ただそれだけである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
作例 · 標準
お祭りの人混みでは掏摸に遭いやすいので、財布はズボンの後ろポケットに入れないほうがいい。
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彼女は電車の中でバッグが開いているのに気づき、掏摸に遭ったのではないかと青ざめた。
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ベテランの刑事は、怪しい動きをする男の正体が指名手配中の掏摸であることを見抜いた。
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