上顎
うわあご異読 じょうがく
名詞多音語
標準
upper jaw
文例 · 用例
口が乾いて舌が上顎に貼り付く。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
「エ」でも日本の「エ」よりももっと舌に力を入れて言う「エ」と、舌を下げて上顎との間を広くして言う「エ」とを区別するという風に、色々沢山違った母音を用いる。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
)(斃ちても可えか……はあ、) と呆れたやうに大きな口を開けると、卍を頬張つたらしい、上顎一杯、眞黒に見えたさうです。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
けっけと唾を絞って吐き出したが、最後の一ひらだけは上顎の奥に貼りついて顎裏のぴよぴよする柔いところと一重になってしまって、舌尖で扱いても指先きを突き込んでも除かれなかった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
真佐子に投げられて上顎の奥に貼りついた桜の花びらの切ないなつかしい思い出で――復一はしきりに舌のさきで上顎の奥を扱いた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
復一は試験室の窓から飴のようにとろりとしている春の湖を眺めながら、子供のとき真佐子に喰わされた桜の花びらが上顎の奥にまだ貼り付いているような記憶を舌で舐め返した。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
まず上顎の入歯をはずし、道路の片隅に安置せり。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
津田氏の上顎が全部ぶさいくな義歯なのを看破したからである。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
作例 · 標準
例句