大商人
おおあきんど
名詞
標準
wealthy merchant
文例 · 用例
仕上り二年間の見積の処が、一年と持たず、四月五月といううちから、職人の作料工賃にも差支えが出来たんですって、――それがだわね、……県庁の息が掛って、つなぎの資本をおろしていた大商人が、相場か何かで、がらがらと来て、美術工業の奨励、県庁のためどころではなくなったんです。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
彼女はひとり娘で、しかもその家は城下でも聞えた大商人であるので、親たちは彼女が好むまゝに育てゝゐた。
— 岡本綺堂 『梟娘の話』 青空文庫
従って三五屋という名前は大阪では一廉の大商人で通っていたが、長崎では詰まらぬ商人宿に燻ぶっている狐鼠狐鼠仲買に過ぎなかった。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
この大商人は大そう金持で、そして大そうしんせつでありましたから、アリ・ババの息子は、すぐにこの人をすきになりました。
— 三、アリ・ババと四十人のどろぼう 『アラビヤンナイト』 青空文庫
彼らは疑いもなく、貴族、大商人、弁護士、小売商人、株式仲買人――|上流社会の者や、社会の俗人――閑人や、自分自身の仕事に忙しく携わり、自己の責任の下に業務を行なう連中――である、彼らは大して私の注意を惹き起さなかった。
— THE MAN OF THE CROWD 『群集の人』 青空文庫
いや、しかし貴方の前じゃけれどお夏さんは珍しい御容色よし、ほんのこと内なぞはおつきあいがおつきあいじゃから、御華族様から大商人方の弟子も沢山見えるけれど、品といい様子といいあのお娘が一番じゃ。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
おれと一緒に西国へ来て大商人の跡取りになれと囁いて聞かせた。
— 岡本綺堂 『心中浪華の春雨』 青空文庫
行くえの知れなかった父が突然に帰って来て、大商人の跡取りにするから一緒に来いという。
— 岡本綺堂 『心中浪華の春雨』 青空文庫