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左方

さほう
名詞
1
標準
left side
文例 · 用例
四五年前の与謝野家の歌会の時、その座のクインであった晶子夫人が、着座しばらくにして、上躯を左方に退き膝を曲げてその下から一脚を曲げて右方へ出されました。
岡本かの子 女性の不平とよろこび 青空文庫
然るに、観聞志と云へる書には、斉川以西有羊腸、維石厳々、嚼足、毀蹄、一高坂也、是以馬憂、人痛嶮艱、王勃所謂、関山難踰者、方是乎可信依、土人称破鐙坂、破鐙坂東有一堂、中置二女影、身着戎衣服、頭戴烏帽子、右方執弓矢、左方撫刀剣とありとか。
泉鏡太郎 甲冑堂 青空文庫
するとやがて人の気はいがして、左方の上り段の上に閉じられていた間延びのした大きな障子が、がたがたと開かれて、鼠木綿が斑汚れした着附に、白が鼠になった帯をぐるぐるといわゆる坊主巻に巻いた、五分苅ではない五分|生えに生えた頭の十八か九の書生のような僮僕のような若僧が出て来た。
幸田露伴 観画談 青空文庫
幸なことにはこの庭の左方の高みの、あの小さな滝の落ちる小山の上は絶対に安全地で、そこに当寺の隠居所の草庵があります。
幸田露伴 観画談 青空文庫
ベランダから池の向こうの踊り場を正視していたときに、正面から左方約四十五度の方向で仰角約四十度ぐらいの高さの所を一つの火の玉が水平に飛行したというのである。
寺田寅彦 人魂の一つの場合 青空文庫
ここから左方に高原の山が聳えて見える。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
ここに少憩して付近の勝を探ぐり、はるかに左方|春日山の城跡を仰おいで、曠世の英傑上杉|輝虎の雄図を偲び、夕陽斜めに北海の怒濤を照すの夕闇に、潮鳴りの物凄き響きをききつつ、直江津の町へ入った。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
いよいよ日本海に出ずれば、渺茫として際涯なく黒い海面は天に連なり、遥か左方は親知らず子知らずの辺ならん、海波を隔てて模糊の間に巉巌の直ちに海に聳立っている様が見える。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫