菌学
きんがく
名詞
標準
mycology
文例 · 用例
二学年になったら、黴菌学という学課も加わって、細菌の形状を教えるのに、教室で講師が幻燈を映し、いろいろその形状の特徴など説明して下さったものだが、課業が一段落ついても、なお時間が余っている際には、風景や時事の画片を映して私たちを楽しませてくれた。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
その学年末の或る日の、黴菌学の時間にも、れいに依って、二〇三高地の激戦とか、三笠艦とかの画面が出て、私たちは大騒ぎで拍手し、そのうちにかたりと画面が変って、ひとりの支那人が、露西亜の軍事探偵を働いた罪に依って処刑せられる景があらわれた。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
蚤のような男、蝨のような女が、何様致した、彼様仕った、というが如き筋道の詮議立やなんぞに日を暮したとて、尤千万なことで、其人に取ってはそれだけの価のあること、細菌学者が顕微鏡を覗いているのが立派な事業で有ると同様であろう。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
院長は金の取れる注射一点張りで、楢雄にもそれを命じ、注射だけで病気が癒ると考へてゐるらしいのには驚いたが、しかしそんな嫌悪はすぐわが身に戻つて来て、えらさうな批判をする前にまづ研究だと、夜の勤務で昼の時間が暇なのを幸ひ、毎日高医の細菌学研究室へ通つた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
予の眼力の驚くべく良かった事は、一九一四年『英国菌学会事報』七〇頁と、一九一八年『エセックス野学倶楽部特別紀要』一八頁に、故リスター卿の娘でリンネ学会員たるグリエルマ嬢が書き立て居る。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
殊に予の菌学を助けて発見すこぶる多ければ、今日始めて亭主たるの貴きを知ると満足し居る。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
客は私と細菌学の博士とただ二人きりである。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
博士は私に昼から夜の一時まで細菌学の話をしてくれる。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫