一毫
いちごう
名詞
標準
(a) bit
文例 · 用例
それは利休に一毫のウソもなくて、利休の佳とし、おもしろいとし、貴しとした物は、真に佳なるもの、真におもしろい物、真に貴い物であったからである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
魔の睫毛一毫の秒がきっとある。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
私も世界を廻るうちに、魔の睫毛一毫の秒に、拙な基督の像の目を三度射た、(ほほほ、)と笑って、(腹切、浅野、内蔵之助――仇討は……おお可厭だけれど、復讐は大好き――しっかりその銅像の目をお打ちなさいよ。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
(魔の睫毛一毫の秒でしたわね、)浪を行く魚、中空を飛ぶ鳥に、なごりを惜むものではありません――流星は宇宙に留っても、人の目に触るるのはただ一度ですもの、と云って、……別れました。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
まことや、魔の睫毛一毫の秒に、いま、右の目に鏨を丁と打ったと思うと、「キイー」 と声の糸を切って、振袖は銅像の肩から、ずるずると辷り落ちた。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
一毫も道草を食ったり寄道をして油を売ってはならぬ小説を云うのである。
— 夏目漱石 『高浜虚子著『鶏頭』序』 青空文庫
氏郷は法令|厳峻である代りには自ら処することも一毫の緩怠も無い、徹底して武人の面目を保ち、徹底して武人の精神を揮っている。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
而して先天的に不幸の體質を受けて、病魔の手裏に囚はれて居る病人に對しては、其の病人たるの故を以て與ふるところの斟酌といふものは一毫も無く、收税者は其の怠納の場合には鐵の定矩の決して枉ぐべからざるが如くに租税を嚴取するのは抑※何といふ事で有らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
作例 · 標準
提出された証拠を精査したが、被告の主張には一毫の疑いも差し挟む余地がなかった。
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「一毫も私心がないと言い切れるのか」と、野党議員は大臣を厳しく追及した。
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精密機械の組み立てにおいては、設計図との一毫の狂いも許されない。
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古文書の修復作業は、一毫の妥協も排して、当時の姿を忠実に再現することに捧げられた。
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