春の雪
はるのゆき
表現名詞
標準
spring snow (usu. large snowflakes)
文例 · 用例
間の岳の峰から、北岳まで尾根が繋がっていることは、ここで初めて確かめられた、我が三角測量標の下には、窪地があって、そこには雪田が白く塊まっている、一丁ほども歩いたかと思うと、また雪田がある、築土の塀の蔭に、消え残った春の雪のようだが、分量は遥かに多い。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
たとえば極貧を現わすために水道の止まった流しに猫の眠っている画面を出すとか、放免された囚人の歓喜を現わすのに春の雪解けの川面を出すとか、よしやそれほどの技巧は用いないまでも、とにかく文学的の言葉をいわゆるフォトジェニックなフィルミッシな表現に翻訳しなければならない。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
「思い切ったる死に狂い見よ」「青天に有明月の朝ぼらけ」と付けたモンタージュと、放免状を突きつけられた囚人の画像の次に「春の雪解け川」を出した付け合わせと、情は別でも、手法においてどれだけの差別があるか。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
こぢんまりした綺麗な店で、竹で編んだ床几に、尻にかくれるような小さな坐蒲団がちょこんと置いてあり、柱には誰の句か、「一力の焦茶の暖簾春の雪」 と、赤い短冊が掛っている。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
……・夜のふかうして薬鑵たぎるなり あの夜の梅が北朗作るところの壺(敬君に)・いつも小鳥が、南天の実の赤さはある・だん/\ばたけに人がきてゐる春の雪ふる 二月十三日晴れてあたゝか、曇つてあたゝか、ぢつとしてゐても、出て歩いてもあたゝか。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・酔ひざめの春の霜・藪かげほつと水仙が咲いてゐるのも みんな酔うてシクラメンの赤いの白いの・風がふくひとりゆく山に入るみちで・すげなくかへしたが、うしろすがたが、春の雪ふる(樹明に)・洗つても年とつた手のよごれ・心あらためて土を掘る 三月四日樹明君が朝も晩もやつてきて、昨夜の酔態をくやしがる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・雪ふりかゝる二人のなかのよいことは・雪がふる人を見送る雪がふる・この道しかない春の雪ふる・ふる雪の、すぐ解ける雪のアスフアルトで・かげもいつしよにあるく・けふはこゝまでの草鞋をぬぐ・椿咲きつづいて落ちつく 三月十五日雪が降りしきる、敬君を駅まで見送る、一杯やる、雪見酒といつてもよい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・うれしいたよりもかなしいたよりも春の雪ふる・けふも木を伐る音がしづかな山のいろ 三月十七日晴、風、春だ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
作例 · 標準
まだ肌寒い「春の雪」が、桜の花びらのように舞い落ちてきた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
予報に反して、真冬のような「春の雪」が街を白く染めた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「春の雪」はすぐに溶けてしまうことが多いが、この時期の雪景色も趣がある。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
ウィキペディア曖昧さ回避
春の雪(はるのゆき) 春の雪 (小説) - 三島由紀夫の小説4部作『豊饒の海』の第1部にあたる小説。以下の作品の原作となった。 春の雪 (テレビドラマ) - 1970年にフジテレビ系列の『おんなの劇場』枠で放送されたテレビドラマ。 春の雪 (映画) - 2005年の日本映画。 春の雪 (宝塚歌劇) - 2012年の舞台。 春の雪 (石川さゆりの曲) - 石川さゆりのシングル曲。 春の雪 (KCOの曲) - KCOのシングル曲。 春の雪 (徳永英明の曲) - 徳永英明のシングル曲。 春の雪 (Haru no Yuki) - 薔薇の品種名。ほぼ白に近い淡いピンク色の薔薇で、三島由紀夫の小説『春の雪』にちなんで名付けられた。鎌倉文学館で5月-6月の「バラまつり」で鑑賞できる。
出典: 春の雪 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0